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なんとなく書きたくなった。後悔はしていない。
そんな感じの恭一小説。
ああ、使役との話の中編後編も書かなきゃなのに……。
「Got a million reasons to run and hide......」
ある平日の夜。彼は自宅の机に向かい、英語の勉強をしていた。
英文を読むとき、大なり小なり声に出して読むのは彼のちょっとした癖である。このときもまた、多聞にもれず、少しハリのある声で、口から英文が紡がれる……が、彼の手は、この一文を訳したところではた、と止まった。
「逃げ出す理由はいくらでもある……か」
この日、彼が訳していたのは、とある洋音楽。そして、英文はその曲の一節だった。
「でも、僕には逃げ出せない理由も、いくらでもある」
能力者だからね、と呟き、そうして、やや自嘲気味に次の歌詞へと目を向ける。
一目ぼれした女性への、男性が送る恋の歌。
僕だってなれる 君の恋人に
ありったけの愛を捧げるよ
あいつがしたことなんか忘れろよ
僕がついてる
どうか心を開いて
愛が導いてくれる
誰かを信じるというなら 僕を信じて
これが僕たちだ
これが愛だ これこそ愛だ
世界中に知らせよう これが僕たちだ
まるで典型的ともいえるような恋の歌。
けれど、何度も紡がれる一言がなぜか響いた。
「これが愛だ、これこそが愛だ……」
恋とか、愛とか、そんなものは、ただの勘違いだと。
そう思っていた自分にさえ、恋の存在を、愛の存在を強く訴えるようで。
「そういえば、今頃彼女はどうしてる、かな……」
なんとなく、頭の中のシルエットの行方が気になった。
もちろん、これが恋だとか、特別な感情だなんて思わない。盲目であるほどそれは強く、人を狂わせる。
それでも、なんとなくその影を追いたくなる。自分にはない純粋さと、強さを持つ彼女の影を。
あるいは、これこそが彼の――――。
……彼女、って、誰だろう(←
ちなみに、この歌、実在のものの和訳から引っ張ってきました。
朔望が大好きな曲の一つ。探してみるのもいいかもしれませんね(ぉ