日記のタイトルの意味は『泣き言を言うな』

　恭一をやや難に参加させました。
　そんな日記。

　九月八日


　昨日、新たな依頼を受けてきた。

　今回の依頼はいつものものよりも難易度が高く、下手を打てば死につながる可能性もある、十二分に警戒して臨みたい。

　とはいえ、勝負は水物、どれだけ注意するにしても、警戒するにしても、怪我をするときはするし、死ぬ時は死ぬ。
　全てが半端なまま、死ぬわけにはいかないけれど。
　万一のためにも、遺書くらいは用意した方がいいのだろうか。


　怖い。

　もちろん、僕だって能力者のはしくれだ、戦争だって潜り抜けてきた、生き残る自信は、ある。

　それでも。

　怖い。

　生命賛歌の恩恵を得られる戦争と違って、後ろ盾など存在しない。
　一瞬の判断ミスがまさに致命傷になる。



　戦場で一番大切なのは生き残ること、そして、常に恐怖を抱えること。


　能力者として生きることを母に告げた時、聞いた言葉だ。
　泣き言を言うつもりはないが、おめおめと引き下がるほど弱虫ではないつもりだ。

　さらなる力を得るためなら、この程度の死線、潜り抜けてみせる。

　

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