PBW(プレイ・バイ・ウェブ)『シルバーレイン』のキャラクターブログです。
わからない人にはわからないかも…。
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恐怖が形を成して襲いかかる
戦乱を彩る狂歌
立ち上る炎
降り注ぐ雷
光の中で僕の意識は途絶えた
次に目が覚めたのは、救護室に運ばれている最中。
僕は、敵に石化を受けたまま、意識が戻ることなくその戦場で敗北を喫した。
輸送中に仲間が治癒してくれたのだろう、目を覚ました時には、その痕跡もなかった。
「……っ! うぐぁ……」
痛みに体が悲鳴を上げる。
僕は、敗れたのだ。
意識のない間に、弄られ、屈辱的に。
ともあれ、こうして痛みを感じているということは、僕が生きているということ。
今はそれだけに感謝したい。そう思った矢先、彼女の顔が浮かんだ。彼女は、まだ無事なのだろうか。
「え?」
その聞き覚えのある声に、思わず振り向く。
隣のベッドには、彼女がいた。
「……すまない」
そんな言葉しか、出なかった。
どんな形であれ、生きてくれていたという喜びと、痛みに耐えているのであろう彼女に、僕は何も報いることができない悔しさと。
いろんな感情が、ないまぜになってしまったから。
ボクこそ…と言いながら謝る彼女。不意に、僕の中の何かが込み上げて来て、堪えられなくなって。
彼女が眠りに落ちたのがかすかに見えたから、僕は目じりから流れるその熱いモノを止めることはなかった。
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