名前には大体由来があるもの。
　というわけで、二人は朔望に二人の名前の由来を聞きに来たのです。

　朔望さん、今日は少し聞きたいことがあるんだ。


　　　　　朔：おう、恭一に綾乃、どうしたの？


　私たちの名前の由来を教えてほしいの。名前には由来とか意味がつきものでしょう？


　　　　　朔：ほうほう……。そんなに聞きたいのかねキミタチ？


　うん。


　　　　　朔：そうかー……いつか話す時が来るとは思っていたが……。


　そんなに何か意味のあることなの？


　　　　　朔：んー？ああ……いや、ちと言いにくいんだけどさ……。


　わくわく♪


　　　　　朔：ぶっちゃけ、ないんだわ。意味。


　…………。


　　　　　朔：いや、二人ともイグニッションをやめてまずは落ち着こう。私の話を聞いてくれ。


　……どうぞ？


　　　　　朔：うむ、というのもね？恭一、まず、お前の名前って私の名前なんだわ、いや、なんつーの？私がWEB作家として活動してる時のペンネームをそのままつけたのよ。


　そうなんだ……。じゃあ、僕が小説好きだとか小説家を志しているとかそういうところは朔望さんの性格が反映されてるわけだね？


　　　　　朔：うん、つーか、ぶっちゃけ私の理想像とかが割と反映されてる。


　ねね、じゃあ私は？


　　　　　朔：綾乃はな、以前私が書いた小説のヒロイン役の名前だよ。


　……なるほど、つまり、名前そのものに意味はなくて、名前の出所に意味があった、と。

　ヒロイン役の子と同じ名前……ね、その子はどんな子だったの？


　　　　　朔：まぁ、世間知らずなお嬢様、って感じかな、割とよくありがちって言われる感じの小説だったしな。


　へぇ……いつか公開するの？


　　　　　朔：んー、どうかな……今は一応違うの書いてるし、お前らの話とかもちょいちょい作らなやしな。


　でも、機会があったら読んでみたいな。おーねーがーいー。


　　　　　朔：綾乃、どこで覚えたんだそんな甘え方。しょうがないな……まぁ、そのうち整地し直して公開してやろうかね……。




というわけで、二人の名前にまつわるお話。

[1回]